LGBTの家探し 契約難しく 福岡
LGBTの性的少数者に入居しやすい環境づくりのため、不動産物件の賃貸を巡り新たな動きが出ている。
東京都渋谷区は2015年11月に同性カップルを公的に認め、証明書を交付する「同性パートナーシップ制度」を条例を施策し他の自治体も続いた。「同性パートナーシップ制度」は法的な拘束力はないが、不動産などの事業者にLGBTであることを理由とした差別を禁止している。
福岡市の不動産会社「三好不動産」は2016年11月からの10カ月間で、部屋探しに苦労する同性カップル14件の入居契約を成立させた。
三好不動産の自社管理の物件以外では、入居希望の同性の2人の関係などを聞かれ、理解不足などから手続きがなかなか進まず、契約にいたらないケースもある。
棚村政行・早稲田大教授は「LGBTの部屋探しを支援する民間の取り組みが始まったことは評価できる。しかし住まいの確保は生活の基本であり、行政が積極的に支援すべきだ。相談窓口の設置や偏見をなくすための啓発、差別を禁止する条例の制定などが必要だ」と指摘している。
世田谷区が16年にLGBTを対象に実施して965人から回答を得た調査では、「自治体に望むこと」(複数回答可)で、半数以上(約6割)の560人が「民間賃貸住宅への円滑な入居」と答えた。
また、不動産情報サイト「SUUMO」は2017年8月から、LGBTフレンドリーと表明した管理会社の賃貸物件を検索できるサービスを実施している。
[GID info編集部]