LGBTQのために知っておきたいジェンダーのこと
日本でも急速に認知度が高まりつつあるLGBTQ。
今回は、セクシュアル・マイノリティの当事者にも、周りの皆さんにも知ってほしいジェンダーのお話です。
「自分の周りにはLGBTQの人はいない」「LGBTQの人には会ったことがない」と思われている方はビックリするかもしれません。
2015年の調査によると、日本では人口の7.6%の割合でLGBTQに該当する1といいます。
これは、およそ13人に1人の割合。
あなたの周りに「いない」のではなく、「言えない」のかもしれませんし、気付いていないだけかもしれません。
それほど、セクシュアル・マイノリティの問題は人に言いにくく、それなのに皆さんの身近にあるものなのです。
13人に1人はLGBTQ。クラスの中に3人はLGBTQがいるかもしれないこと
女の子っぽい女の子、男の子っぽい女の子、男の子っぽい男の子、女の子っぽい男の子。
皆さんのイメージの中にある「女の子っぽい」「男の子っぽい」というのはなんでしょう?
大半の皆さんは、そんなこと考えたことがない方がほとんどなのではないでしょうか。
ちょっと難しい言葉でいうと、それがジェンダーと言われるものです。
ジェンダーとは、社会的意味合いから見た男女の性区別のこと
ジェンダー(Gender)は英語から日本語に訳すと「性別」となりますが、ここでの意味はおおむね「ジェンダー論」と言われるものです。
ジェンダー論とは、また難しく言うと「性別に基づいて社会的に要求される役割などの社会的性差」なのですが、
つまり
- 自分は女の子だから、女の子らしくオママゴトで遊んだり、スカートをはくこと。とか
- 自分は男の子だから、男の子らしくトミカで遊んだり、ズボンをはくこと。など、
ジェンダーとは、社会的な性別のイメージ・印象、とでもいいましょうか。
LGBTQに当てはまらない、13人中12人の人にとっては「それが何?当たり前じゃないか」と思うかもしれませんね。
でも、よく考えてみて下さい。
「女の子らしく、男の子らしく‥」って、この「性別らしく」を決めたのは誰でしょう?
お母さん?お父さん?先生?友達?それとも、自分自身?
答えは、社会です。
個人的にジェンダーというのはステレオタイプの塊、
とどのつまり、女の人は家を守るために家事をしなさいとか、男の人は家族のために働きなさいというのと、同じように思います。
性別に対するイメージが、いつの間にか皆さんの中にもあり、気付かないうちに周りの色んな人たちに押し付けてしまっていることもあるのではないでしょうか。
誰の中にもあるジェンダーの偏見
たとえば、
新生児がいる親御さんであれば、男の子の赤ちゃんには青いお洋服を着せ、女の子の赤ちゃんにはピンクのお洋服を着せるように。
子どもが幼稚園に入る頃には、女の子だからスカートを着せ、男の子ならズボンを履かせるように。
女の子に与えるオモチャはお人形、男の子に与えるオモチャは剣や車だったり。
「女の子なんだから大人しくしなさい」とか「男の子なんだから我慢しなさい」などなど。
女の人は弱くあることが美徳で、男の人は強くあることが美徳とされるように。
もちろん、このようなイメージが全て悪い事ではないと思います。
人間は「分類」することが好きなのか、特段、性別が曖昧な状態を嫌がる傾向にあります。
ただ「男の子だからこう、女の子だからこう」といった性別のイメージについて、少しでも疑問符を抱き、考えて貰えると嬉しいです。
これと同じように、
- 男の子だから女の子を好きになる
- 女の子だから男の子を好きになる
というのもステレオタイプだということもお気づきでしょうか。
LGBT(Q)の色が虹色(レインボー)な理由は、ジェンダーには色んな色があるから
LGBTをはじめ、性別は多様性である。と言われるのは、つまりそういうことなんです。
男の子でも、好きになった人が男の子のことがあるし、その逆も然り。
女の子でも、皆に男の子っぽく思われたいと思うことがあるし、その逆も然り。
自分は女の子だけど、女の子らしくなりたいわけではない。とか
自分は男の子だけど、男の子らしくなりたいわけではない。など、考えていくと
ジェンダー(社会的な性別)というのは、男と女の2色がすべてではない。
男と女が混ざった性別もあるかもしれないし、男でも女でもない性別があるかもしれない。
ジェンダーとは白と黒だけではなく、色んな色があるんだよ、ということで虹のようなグラデーションなんですね。
さいごに
LGBT(Q)について、ジェンダーについて、少しわかってきましたか?
合わせて、【ジェンダーアイデンティティーまとめ】FTX MTX FTM MTFの違いって何?の記事も見てみると、もっとご理解いただけるかもしれません。
40人に3人はLGBT(Q)だということ、ジェンダーは多様性である。と知ったとき
我々大人は子ども達を守ってあげることが非常に大切になってきていることが、益々おわかりいただけるかと思います。
もしお子さんのことを「LGBT(Q)かもしれない」と思ったら、なるべく多くのLGBTQ関係の情報をさりげなく教えてあげてください。
もし、お友達が「LGBT(Q)かもしれない」って気付いた時は、その子の良い所を思い出してみて、普段通り仲良く遊びましょうね。
「自分ってLGBT(Q)かも…」と思っている皆さんに伝えたいことがあります。
それは、「自分のことを人に言えない」ことが恥ずかしいことではないということ。言いにくくて当たり前なんです。でもそれは恥ずかしいことではない。
誰だって、13人中1人しか自分と同じ考えを持つ人がいない。ってなると不安になりますよね。それと同じです。
ちょっとだけ個性が平均的な人よりも突飛しているだけなんですよ。だから大丈夫。無理にカミングアウトをしなくても大丈夫。気付いてくれる大人やお友達はきっといますよ。
GIDinfoはすべてのセクシュアル・マイノリティの人たちを応援しています。
- ※1:2015年電通総研ダイバーシティラボ調べ ↩