6/13(金)文部科学省が「学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査」について結果を公表

6/13(金)文部科学省が「学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査」について結果を公表

[記事ソース:Yahoo!] 2014年6月14日

文部科学省は、学校における性同一性障害に係る対応を充実させるための情報を得ることを目的に、学校における性同一性障害に係る対応に関する状況を調査し、このほどその状況を取りまとめました。

文部科学省「学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査」の結果公表
文部科学省は6月13日(金)に心と体の性が一致しない「性同一性障害」を抱える児童生徒に関する初めての調査の結果を公表しました。私は文部科学省初等中等教育局児童生徒課指導調査係長より調査結果について直接説明を受けましたので、その詳細な内容について報告したいと思います。

学校側に悩みを相談したのは606人で、約6割の学校で戸籍上の性と異なる制服着用やトイレの使用を認めるなど何らかの配慮をしていました。専門知識の不足などで対応が困難と回答した学校も多くあり、文部科学省は専門家の意見を踏まえた事例集を作成し、各教育委員会などに配布する予定です。

調査は全国の小、中、高、特別支援学校の約3万7000校(児童生徒数計約1300万人)を対象に昨年4月から12月の間に実施しました。児童生徒のプライバシーを配慮しつつ、学校が把握する事例について対応や課題を尋ねました。

調査結果によると、全国で606人(男子237人、女子366人、無回答3人)が学校側に悩みや対応を相談しています。中学校は110人、高校は403人で、年齢が上がるごとに増加しています。性同一性障害であることを把握しているのは学校側やごく一部の友人に限られるのが大半で、明らかにして生活しているのは約2割の136人でした。

相談した606人のうち、トイレや更衣など保健室や職員用の利用で対応可能な配慮をされている児童生徒はそれぞれ156人、133人と比較的多く、授業や部活動で個別の対応を受けているのはごく一部でした。服装に関しては、女子123人が何らかの配慮を受けているのに対し、男子にスカート着用などを認めた例は36人と少数でした。

「学校が特別な配慮をしていない」には、「児童生徒が学校による特別な配慮を希望しなかった」「児童生徒が学校による特別な配慮を断った」ことにより学校が特別な配慮をしていない事例が多く含まれます。つまり「特別な配慮をしないことが、児童生徒に対する配慮」となっていました。学校が特別な配慮をしなくても、当事者の児童生徒が自然に過ごせる環境作りをしていくことこそが求められているのではないでしょうか。

(参考)「性同一性障害者」の定義
この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。(「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」第二条より)

LGBT(性的少数者)の学校生活、いじめの実態が明らかに
私が代表を務めている「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」では、平成25年度東京都地域自殺対策緊急強化補助事業の一環として、「LGBTの学校生活実態調査」を実施し、今年の5月に調査結果を公表しました。調査はインターネットを通じて回答を募り、「現在10歳以上35歳以下」「関東地方で小学校~高校生の間を過ごした」の条件に該当するLGBT当事者609名から回答を得ました。これまで性同一性障害や同性愛・両性愛男性に対する調査は存在したものの、LGBT全体で学校生活に関して数百人規模の調査が行なわれたのは国内初です。

性同一性障害や同性愛などのLGBT(性的少数者)は、小学校~思春期の頃に自分自身が多数派と異なることを大半が自覚しますが、男子5割、女子3割は誰にも相談できていません。“カミングアウト”するときに選ぶ相手の大半は同級生で、学校の先生や親など「大人」を選ぶ割合は低いことがわかりました。性別に違和感を持つ男子は、いじめのハイリスク層で、深刻ないじめを5学年以上にわたって受けている例が多いことが特徴です。

「周囲のだれかに話した」と回答した者の約6~7割は同級生を選び、また同級生でなくとも部活や同じ学校の友人など、同世代の友人が選ばれています。言わなかった理由は「理解されるか不安だった」(約6割)、「話すといじめや差別を受けそうだった」(男子約6割、女子約3割)。一方、教師にカミングアウトしたLGBTは全体の1割程度に過ぎず、教師が気付きにくい現状が示されました。

いじめは2 学年以上続くことの方が多く、特に性別違和のある男子では、いじめが長期化しやすい上に、言葉による暴力(78%)、無視・仲間はずれ(55%)、身体的な暴力(48%)、性的な暴力(服を脱がされる・恥ずかしいことを強制される)(23%)と、いじめ被害経験も深刻かつ高率でした。「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」ではこれらの結果を元に、LGBTの子どもたちの現状を知ってもらうと共に、いじめや孤立状況を改善するための施策をまとめ、社会に提言していく予定です。

「LGBTの学校生活調査」    (平成25年度実施、609名回答)
・自分自身が性的少数者であることを、小学校~思春期の頃に大半が自覚
・しかし、男子5割、女子3割は誰にもそのことを話せなかった
・カミングアウトの相手は大半が同級生で、教員や親などの大人を選ぶ割合は低い
・LGBTをネタとした冗談やからかいを84%が見聞きした
・全体の7割がいじめを経験し、その影響によって3割が自殺を考えた

(いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン共同代表 明智カイト)

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「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」
LGBTの子ども、若者に対するいじめ対策、自殺対策(=生きる支援)などについて取り組みをしている。LGBT当事者が抱えている政策的課題を可視化し、政治家や行政に対して適切な提言をしていくことによって問題の解決を目指すことを目標としている。

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