「声優のアイコ」事件、別人格犯行説をめぐる法廷バトル 精神科医は別人格に会っていた

「声優のアイコ」事件、別人格犯行説をめぐる法廷バトル 精神科医は別人格に会っていた

[記事ソース:新潮45] 2017年1月30日

「声優のアイコ」事件の裁判が大詰めを迎えている。女装をして昏睡強盗を繰り返していた神いっき被告が、乳房切除手術を受け男性として暮らす性同一性障害者であることから世間の注目を集めたこの事件。

 別人格との遭遇も経験したインベカヲリ★氏が、法廷の模様を「新潮45」2月号の『再び別人格が現れた「声優のアイコ」事件法廷』という記事でレポートしている。

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 平成26年9月から始まった裁判では、当初、神被告は犯行時の記憶がなく、一貫して容疑を否認していた。

〈ところが第4回公判で、ゲンキ(4歳)と名乗る別人格が現われ、法廷において「お兄ちゃんは悪くありません!」と叫んだあたりから流れは大きく変わった。神被告は解離性同一性障害(以下、DID)であり、「自分の中の別人格が犯行を行った可能性がある」と一転して容疑を認め、犯行時にDIDであったかを診断する精神鑑定が行われることになったのである〉※〈〉は本文より引用、以下同

■別人格は本物か?
 裁判所が鑑定を依頼した精神科医・岡田幸之医師は、神被告が解離性障害は起こしやすい傾向にあると言うものの、DIDであることには否定的である。別人格が現れている間、神被告は休眠状態で記憶を有していないとされるが、一方で犯行中に「神いっき」として、友人とLINEのやりとりをしていた。

“女装時”の神いっき被告(警視庁の公開写真より)
 これについて岡田医師はこう語っている。

〈「別人格がやったという根拠になっているのは、本人が覚えていないと言っている部分でしかない。こうかもしれない、ああかもしれない、というので作り上げられたストーリーとしか言いようがなく、信憑性はかなり疑わしい」〉

 一方、弁護側の証人として出廷した精神科医・岡野憲一郎医師によれば、神被告の中には幼児人格の「ゲンキ」、凶暴な人格の「コウジ」、そして「ミサキ」の3人がいる。岡野氏は神被告との面会の際「ゲンキ」に会ったと明かしたうえで、犯行時に名乗っていた“声優のアイコ”はミサキの偽名で、一連の事件の犯人は彼女である、との説明を彼から受けたという。

 2人の精神科医の見解が対立する形となったが、弁護側証人である岡野医師も、〈「別人格を含めた総体としての被告人の責任能力をどう考えるかは、法律家の判断に任せる」〉と述べている。

■インベ氏も遭遇
 神被告との面会を続けていたインベ氏も、ゲンキと面会したことがあるという。

〈いつもの神被告は、落ち着いていて声も低く、精神が不安定に見える日でも口元だけは笑みを絶やさない(略)ところがゲンキは、声は高く、顔は弛緩し、身体はグニャリと柔らかくなり、丸い目でキョロキョロしながら口をパクパク開閉させる仕草を見せる〉

 これは“演技”なのか――。インベ氏による『再び別人格が現れた「声優のアイコ」事件法廷』では、双方の医師の意見を詳しく取り上げ、またミサキ人格が形成された背景と犯行の“動機”についても報じている。

「新潮45」2017年2月号 掲載

[提供元:新潮45] [記事全文を表示]

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